名残(なごり)【美しい日本語】

名残(なごり)の由来

波が打ち寄せたあと、浜辺に残された海水や藻などの様子「波残り(なみのこり)」が短くなってできた言葉とされている。

よく使われる例

別れを惜しむ惜別の情

亡き人の子孫、末裔など

過ぎ去った事柄の余韻、余剰

(万葉集)夕去者 公来座跡 待夜之 名凝衣今 宿不勝為

万葉集では、待ち人を想う女性の恋情が詠まれている。

 

第11巻 2588番歌 作者不詳

原文 夕去者 公来座跡 待夜之 名凝衣今 宿不勝為

訓読 夕されば君来まさむと待ちし夜のなごりぞ今も寐ねかてにする

かな ゆふされば きみきまさむと まちしよの なごりぞいまも いねかてにする

夕方になると、あの方が来やしないかとお待ちしていた頃のなごりなんでしょうか、今でもなかなか寝つかれない。

出典 万葉集ナビ

なごり雪

汽車を待つ君の横で僕は

時計を気にしてる

季節はずれの雪が降ってる

「東京で見る雪はこれが最後ね」と

さみしそうに君がつぶやく

なごり雪も降るときを知り

ふざけすぎた季節のあとで

今 春が来て 君はきれいになった

去年よりずっときれいになった

動き始めた汽車の窓に

顔をつけて

君は何か言おうとしている

君の口びるが「さようなら」と動くことが

こわくて 下をむいてた

時が行けば 幼ない君も

大人になると気づかないまま

今 春が来て 君はきれいになった

去年よりずっときれいになった

君が去った ホームにのこり

落ちてはとける雪を見ていた

今 春が来て 君はきれいになった

去年よりずっときれいになった

去年よりずっときれいになった

去年よりずっときれいになった

作詞 : 伊勢正三
作曲 : 伊勢正三
1974年3月12日 かぐや姫・リリース

1975年11月5日 カバー イルカ・リリース

イルカさんのオフィシャル動画です。

昔の駅のホーム・・・季節外れの雪の中ベンチに座って汽車が来るまで何を話そうか・・ポツリとつぶやいているうちに無情にもやってくる汽車と別れ・・この歌は汽車を知っている世代の誰でも情景が思い浮かべられるほど美しい抒情詩だと思います。