【埼玉県の言い伝え】防災

「過去の災害の経験を後世に伝えたい先人の強い思い」 出典 総務省消防庁

【市町村名】

【言い伝え】

【趣旨】

夏至の朝霧がまくと大水がある(熊谷市佐谷田)

蟻が木に登るのは大洪水の前兆(川越市)

鳶が高い所に巣を作るのは大水の兆し(羽生市須影)

蛇の木登りは大水の兆し(吉見町南吉見)

堤防の上の方に蜂の巣の多いときは洪水(吉見町南吉見)

蜂が梢に巣を作るのは洪水の兆し(川越市)

川蝉の子が育つまでは水がでない(熊谷市久下)

河原の蜂が巣を低く作るときは水は出ない(熊谷市久下)

蜻蛉が家の中へ入ると大水がでる(熊谷市佐谷田)

中仙道を蛾が多く西へ飛んで行くのは大水の兆し(熊谷市佐谷田)

川柳の直立するときは洪水が出る(深谷)

上げ雨が降ると大水になる(熊谷市久下)

大水の出た夢を見ると火事が起こる。(荒川村)

朝、雷があると大水が出る。(熊谷市)

熊谷市久下神社のおみこしをお祭りにかついだ年には、必ず土手が切れ大水が出ると言われている。(熊谷市)

3のつく年は大洪水があるという。(吉見町)

大規模な水害の起きた年(元号)の約半数に3がつく。統計的にいわれたことか(?)

少しの雨でも荒川が洪水になるので、昔から蛙がおしっこをしても荒川があふれるといわれた。(鴻巣市)

南風が吹くと台風や大洪水(八潮市、戸田市)

蛙が家の近くに来たり、家の中に飛び込んだりすると大水や台風になる。

一般的な言い伝え

亀が上にあがると大水が出る。(戸田市)

なまずが地下を動き回ると地震が起こる。

一般的な言い伝え

例年に比べて蜂の巣が多い年は台風が多く、巣の少ない年は大水が出る。

朝雷は大水のもと(羽生市須影・熊谷市久下・熊谷市佐谷田・川越市)

アリが何万というほど群がり集まっていると大水が出る。(岡部町)

梨の花が多いのは大水の兆し。(志木市)

川柳が直立するときは大水の兆し。(志木市)

彗星は凶事の前兆。大水がでるなど。(戸田市)

一般的に変事・凶事の兆しとされる。

犬の遠吠えは火事の兆し。(戸田市、八潮市)

一般的に変事・凶事の兆しとされる。

家からねずみがいなくなると火事になる。

一般的な言い伝え

ねずみが神棚の注連縄をかじると火事になる。(大滝村)

井戸の水が増えると変事(地震など)が起こる。(戸田市)

寒雷様は大水のもと(川越市)

荒川またぎの虹は大水のもと(吉見町南吉見・熊谷市久下・川越市)

水吸(株虹)の出現は大水のもと(吉見町南吉見・川越市)

朝虹が出ると大水がある(熊谷市久下)

虹が富士をまたぐと大水がある(騎西町種足・久喜市・川越市)

大橋をまたいで虹が出ると大水の兆し(熊谷市佐谷田)

蜂が低いところに巣を作るときは、大風の前兆といわれている。

台風などの風害を避ける教訓

旱魃に凶作なし

埼玉では昔から、旱魃よりも水害が恐れられてきたことから生まれた言葉

亀が上にあがると大水が出る

からすが巣を高い所に作ると大雨、低い所に作ると大風。

秩父方面では、冬に山鳥がしきりに餌をあさっていると、大雪になる。

蜂が低いところに巣を作ると風、高い所に作ると雨が多い。又、例年に比べて、巣が多い年は台風が多い、巣の少ない年は大水、軒の下に作ると日照り、日陰に作ると台風になる。

梨の花が多いのは大水の兆し。

毛呂山町

雷が鳴ったら、「自分より高い火の見櫓やけやの木に行ってはいかない」

雷は高いものに落ちやすい。

毛呂山町

雷が鳴ったら、「豆まきの豆を食え」

「鬼は外」で追い出された鬼と、雲の上の雷様と結びつけ、豆を人が食べれば雷様も怖くなって雷をやめるだろうということ。

毛呂山町

雷が鳴った時、「へそをとられるよ。おりこうさんにしなさい」

子どもに言うことを聞いてもらうため。

毛呂山町

雷が鳴った時、「桑原 桑原」と唱える。

雷が桑原に落ちて桑株に刺さりケガをして以来桑原へは落ちないという説、桑原は本数が多くて被害が少ないという説、桑は霊木で鬼や魔物が寄りつかないという説など。

毛呂山町

雷の時は、蚊帳に入り、線香を立てる。

麻の蚊帳が良いとされ、線香は床の間に立てた。

毛呂山町

地震のときは「竹やぶに入れ」

竹林は根が強いため、地盤が安定。

毛呂山町

地震のときは「まんぜえろく」と唱える。

詳細不明。一説では、「まんぜえ」=「万歳(ばんざい)」、「ろく」=「禄」(「俸禄」の「禄」。「報酬」「恩恵」の意)。従って「まんぜえろく」は、末永く神の恩恵を受けられますように、という祈願か?(同出典外)

毛呂山町

立春から数えて二百十日目を厄日とし、その前日あたりから「オヒマチ」と呼ばれる嵐よけの祈願の儀式を行う習慣があった。

立春から数えて二百十日目は9月初旬で、台風の季節であるため、近所の人が注意を喚起し合い、地域で協力して警戒態勢をとる。

宮代町

地震の時は、竹やぶに逃げろ。

竹藪は根が張っているので安全。