自分でできる!固定資産税の評価見直し方法と審査申出方法

固定資産税の課税誤り調査

固定資産税とは、管轄の役所が税額を計算して、不動産を所有している人にとって毎年課されるという、ある意味一方的な税金です。間違いはないだろうからと請求されるままに支払っている人々が多いのではないでしょうか。

試しに「固定資産税 課税誤り」で検索してみてください。

びっくりする位、市町村からのお詫びがずらりと何件かすらも不明なほど並んでいます。平成24年8月の総務省調査で全国の市町村の97%もの割合で課税誤りが発生しています。修正が行われたのは、土地・家屋ともに納税義務者数の約0.2%(3年平均)で、毎年4.5万人から12万人程度程度だったことが分かります。

平成21年度 1483団体 93.2%
平成22年度 1485団体 93.3%
平成23年度 1484団体 93.2%
累計    1544団体 97.0%

平成21年度 【土地】76,613人/28,991,554人 0.3% 【家屋】118,570人/32,644,343人 0.4%
平成22年度 【土地】49,042人/29,184,470人 0.2% 【家屋】56,407人/32,904,180人 0.2%
平成23年度 【土地】44,749人/29,307,753人 0.2% 【家屋】44,636人/33,222,534人 0.1%
平均  【土地】0.2%           【家屋】0.2%

平成21年度は土地も家屋も課税誤りが非常に高くなっています。これは3年に1度が固定資産税の評価替え年度となり、平成21年がこれに該当するからです。この方式に則りますと平成24年、平成27年、平成30年が課税誤りの件数が高くなっていると予想されます。

注意が必要なのは、減額だけでなく増額もあるという点です。

H21年度 【土地】増額27.5% 減額72.5% 【家屋】増額28.7% 減額71.3%
H22年度 【土地】増額29.2% 減額70.8% 【家屋】増額44.3% 減額55.7%
H23年度 【土地】増額39.4% 減額60.6% 【家屋】増額48.4% 減額51.6%
平均 【土地】増額32.0% 減額68.0% 【家屋】増額40.5% 減額59.5%

評価額が修正された要因別に見てみますと次のようになります。

課税・非課税認定の修正 【土地】7.5% 【家屋】1.4%
新増築家屋の未反映 【家屋】20.6%
家屋滅失の未反映 【家屋】23.6%
現況地目の修正 【土地】15.8%
課税地籍・床面積の修正 【土地】3.1% 【家屋】2.9%
評価額の修正 【土地】29.9% 【家屋】29.7%
※1 負担調整措置 ※2 特例措置の適用の修正 【土地】22.9% 【家屋】1.9%
納税義務者の修正 【土地】5.6% 【家屋】13.4%
その他 【土地】5.6% 【家屋】6.4%

※1 負担調整措置とは、3年に一度の土地の評価替えに伴う税負担の増加を緩和するための措置です。この負担調整措置によって、毎年徐々に評価額に基づく税負担に近づけていきます。
※2 地価の下落に対応するため、現行の各種負担調整措置に加え、評価の上昇率に応じた臨時的な課税標準の特例措置のことです。



固定資産税が正しいかどうか自分で確かめる方法

固定資産税は通常以下の計算式で算出されるものです。市町村によって標準税率と違った税率を定めることもあります。

固定資産税 課税標準額×税率(1.4%)
都市計画税 課税標準額×税率(0.3%)

<< 土地の課税誤りチェック >>

土地の課税誤りの多くが、住宅用地の特例の不適用によって生じます。

小規模住宅用地 【固定資産税】200㎡までの部分の土地の課税標準が1/6になる 【都市計画税】200㎡までの部分の土地の課税標準が1/3になる
一般住宅用地 【固定資産税】小規模住宅用地が適用された残りの部分の土地の風標準が1/3になる(ただし、建物の延床面積の10倍まで) 【都市計画税】小規模住宅用地が適用された残りの部分の土地の課税標準が2/3になる(ただし、建物の延床面積の10倍まで)

店舗付き住宅などの併用住宅は、住宅部分の割合によって住宅用地率が変わってきます。

【地上5階以上の耐火建築物】
住宅部分の割合が1/4~1/2未満・・・住宅用地率50%
住宅部分の割合が1/2以上~3/4未満・・・住宅用地率75%
住宅部分の割合が3/4以上・・・住宅用地率100%

【地上5階以上の耐火建築物以外】
住宅部分の割合が1/4以上~1/2未満・・・住宅用地率50%
住宅部分の割合が1/2以上・・・住宅用地率100%

<< 建物の課税誤りチェック >>

課税明細の床面積と登記簿上の床面積は合っているか・・・毎年4月1日に送られてくる「課税明細」と、法務局で取得することができる「登記事項証明書」を比べてみてください。多いか少ないかによって増額あるいは減額の目安となると思います。

自分の土地と家屋の評価額の閲覧方法

閲覧とは、自分の土地・家屋の評価額などを記載した固定資産課税台帳を見ることです。いつでも資産税課窓口で確認ができます。

【料金】縦覧期間中は無料 縦覧期間以外は有料200円~

【閲覧期間】年間通して可能(土日祝日除く)

【必要なもの】該当年度の納税通知書・確定通知書、運転免許証、国民年金手帳、国民健康保険・健康保険・船員保険・介護保険の被保険者証、旅券(パスポート)、マイナンバーカードなど

【確認できる事項】

土地記載内容・・・所在地、登記地目、登記地積、課税地目、課税地積、価格、固定資産税・都市計画税課税標準額、税相当額
家屋記載内容・・・所在地、家屋番号、種類、構造、床面積、価格、固定資産税・都市計画税課税標準額、税相当額

縦覧可能な毎年4月1日から1、2ヶ月が固定資産税見直しのチャンス

縦覧とは、納税者が自己の固定資産の評価額が適正かどうかを判断できるようにするため、資産税課窓口で他の土地や家屋の価格と比較するための制度です。ただし、土地(家屋)のみの納税者は家屋(土地)の縦覧はできません。

【料金】無料

【縦覧期間】4月1日~約1、2ヶ月間 市町村によって異なります。

【必要なもの】該当年度の納税通知書・確定通知書、運転免許証、国民年金手帳、国民健康保険・健康保険・船員保険・介護保険の被保険者証、旅券(パスポート)、マイナンバーカードなど

【確認できる事項】
土地価格等縦覧帳簿で確認できる事項・・・所在・地番・地目・地積・価格
家屋価格等縦覧帳簿で確認できる事項・・・所在・家屋番号・種類・構造・床面積・価格

固定資産税の審査申出と不服申立て

縦覧で周りの固定資産評価と比較してみて、自己の固定資産の評価に疑問を感じる場合は、固定資産税の審査申出不服申し立てができます。

【審査申出制度等】
固定資産課税台帳に登録された価格について不服がある納税者は、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3月以内に、固定資産評価審査委員会に対して、文書(審査申出書)により審査の申出ができます。

【不服申立て】
また、固定資産の価格以外の事項(課税標準額、税額等)について不服がある場合は、納税通知書の交付を受けた日の翌日から起算して3月以内に市町村長に対して、文書により審査請求することができます。

固定資産税の審査決定内容

審査決定には次の3種類があります。

(1) 認容: 審査申出人の主張の全部又は一部を認め,価格(評価額)を修正すること
(2) 棄却: 審査申出人の主張は価格(評価額)を修正すべき正当な理由には当たらないとして,主張を退けること
(3) 却下: 審査申出期間後に提出された申出や価格(評価額)以外に関する不服の申出など,不適法であることを理由に申出を退けること

審査決定に不服がある場合は、審査決定の取消しを求めて、審査決定書の送付を受けた日から6箇月以内に訴訟を提起することができます。また、審査委員会が審査申出を受け付けてから30日以内に審査決定を行わない場合は、その申出を却下する決定があったものとみなして,訴訟を提起することができます。